SEOとは”Search Engine Optimization”の略で、検索エンジン最適化のことです。
この記事では、SEOの知識がない方や、WebマーケティングやWeb制作の初心者向けに、SEOとはどの様なもので、その目的やSEOでの手法について分かりやすく解説をしていきます。
これからSEOについて勉強したい方や、SEO対策を行う必要がある方の参考になれば嬉しいです。
SEOとは「入門編」
SEOとは検索エンジン最適化を行うこと!Googleへの対策が最重要
Webで検索した際に上位表示されるサイトとされないサイトの違いはSEO対策にあります。
検索エンジン(サーチエンジンともいう)にはGoogle、Bing、Yahoo!などありますが、Googleが世界シェアの92.51%を占めています。また、Googleの検索システムはYahoo!でも採用していますので、Googleに対してSEO対策を行うことが一番の得策です。
SEO対策で得られる3つの利点
SEO対策をすることによって得られる利点はいくつもありますが、この記事では3つに焦点をあてて行きたいと思います。
1. 世界中のユーザーと接点がもてる
世界のどこにいようとも、世界中の人と接点をもてることこそが、インターネット最大のメリットといえます。Webサイトを持っていればその可能性は更に広がります。SEO対策をしっかりと行って世界中の人と繋がりましょう。
2.広告費をかけずに集客ができる
Webサイトへ集客する広告手法は多々ありますが、SEO対策をしっかり行うことで、広告費をかけずにサイトへの集客ができます。ポイントとしては、検索をする人のニーズをしっかりと捉えて対策をしているかになりますので、キーワードやターゲットに対してマーケティングが必要となります。
3. 訪問者、見込顧客にアピールできる
Webページへの訪問者には検索する意図や理由があります。意図を捉えることは訪問者の悩みやニーズを理解することに繋がりますので、マーケティングにおける「見込み客」の集客となります。「訪問者が困っていること=ニーズ」に対して、Webページがしっかりとアピールできることができれば売上にもつながります。
※キーワードを使用して検索する行為を自然検索といいます。
検索エンジンの特徴と検索結果表示順位の仕組み
Googleなどの検索エンジンとは、インターネットに存在するWebページ、Webサイト、画像、動画、ニュースなどをユーザーの検索にあわせて表示するプログラムであり、サービスです。
検索エンジンは「ロボット型検索エンジン」、「ディレクトリ型検索エンジン」、「メタ検索エンジン」の3つに分類されますが、SEO対策で一番意識しないといけないのは世界的シェアのあるGoogleです。Googleは「ロボット型検索エンジン」を使用していますので、仕組みについて理解することが最重要となります。
ロボット型検索エンジンの特徴
ロボット型検索エンジンとは、インターネット上の検索キーワードをもとに検索エンジンが有するデータベースに登録された情報ページを関連度が高いものから表示する仕組みです。
ロボット型検索エンジンは、Google以外にも世界シェアの上位であった、BingやYahoo!も採用しています。
情報集めと整理に活躍する”クローラー”とは
ロボット型検索エンジンの特徴で一番重要な機能といえば「クローラー」といわれる存在です。クローラーとはインターネットを通じてサイトからのページ情報を取得するロボットのことをいいます。ページ情報には沢山のテキストや写真、動画、キーワードなどがあり、サイトによって構成なども違います。
クローラーはページ内を巡回(パトロール)することを「クロール」といい、サイトの情報や構造を収集します。収集した情報を分解しながら解析を行い、データベースに登録することを「インデックス」といいます。
検索結果の表示順位はスコアリングによって決まる
検索エンジンを使って検索をした際、検索結果がランキング表示されますが、その表示順位は検索エンジンのランキングシステムによって順位が決まります。これをランキングアルゴリズムとも呼びます。ランキングアルゴリズムの仕組みはインデックスされた情報をもとに、ページ内容と検索キーワードとの関連性が高いものからスコアリングし順位表示する仕組みです。
検索結果で上位表示を獲るためのSEO対策3つ
SEO対策には、大きく分けると以下の3つを意識をしていく必要があります。
- キーワード対策
- 内部対策
- 外部対策
①. SEOを意識したキーワード選定
これからWebサイトを作成していこうと考えた際、キーワード選定はSEO対策としても重要なポイントとなります。その理由は自然検索で検索される可能性の高い需要のあるキーワードを意識しないと、Webページへ集客が難しくなるからです。
SEOのキーワード対策の難しさ
キーワード選定をする際にビッグキーワードとスモールキーワードをどちらを狙いたいか?と質問するとビッグキーワードと答えるのが当然だと思います。
しかしながらそこがSEOの難しさで、ビッグキーワードで検索結果表示の上位を獲るということは、それだけライバル(競合)が多いと言えます。特に検索結果表示で1ページ目に載せたいと考えたとき、1ページ目に掲載されるのはおおよそ10記事と枠が決まっていますので、ビッグキーワードばかりを狙うのは得策ではありません。
スモールキーワードを狙いつつ、Webページを強化していきながら時間をかけてビッグキーワードを狙うことが重要です。
ロングテールキーワードでニッチなニーズを狙う
「ゴルフ」というキーワード例にすると、「ゴルフクラブ」「ゴルフボール」などスモールキーワードが浮かびますが、ロングテールキーワードはさらに他のキーワードを織り交ぜていく考え方です。
ロングテールキーワードは「ゴルフ場 御殿場 予約 料金」や「ゴルフ ウェア メンズ 夏物」などキーワードとなる単語を複数つなげていくことで、狭い範囲に絞込ができます。よりユーザー目線でのニーズを獲得できる他、競合が少ない可能性が多いので、SEO対策として有効な手段と考えます。
Googleサジェストを使ってキーワードを洗い出す
Googleサジェスト、教えてgoo!やYahoo!知恵袋といった情報源を活用することで、世の中の悩みや相談を一括で取得し表示することができます。サジェストについては、下記サービスでご確認ください。
キーワードプランナーを使ってキーワードのニーズを調べる
キーワードプランナーはGoogle広告のアカウントが必要となりますが、Googleが提供する広告出稿サービスの機能の一つです。「新しいキーワードを見つける」「キーワードを調査」などビジネスなどに関連性のあるキーワード探しや、検索数の推移などキーワードや数値を見ることができる人気のツールです。詳細については下記リンクよりご確認ください。
キーワードの重要性から優先順位を決める
キーワード候補を決めていくなかで、Webサイトのコンセプトにマッチするメインとなるキーワードを決める必要があります。
ゴルフを例にすると、Webサイトがゴルフに関係するウェアなどのショップであれば、ゴルフやゴルフウェアになると思いますし、ゴルフ場予約サイトであれば、ゴルフ場や予約といったキーワードがWebサイトのコンセプトにマッチしたメインのキーワードとなります。
Webサイトやサービスに合わせて決める際にはキーワードプランナーを使うことをお勧めします。キーワードプランナーで月間検索数(検索ボリューム)やキーワードごとの競合具合など見ることができますので、直感に頼らず、データから検討していくことが可能となります。
②. 内部対策
SEOにおける内部対策とはWebサイト内で行う対策のことをいいます。正しい知識をもって内部対策を行うことで、Googleから良質なコンテンツとして高く評価されます。
キーワードからサイトマップを考える
Webサイトの構造でサイトマップというものがあります。サイトマップは一般的にはピラミッドの様なツリー上の形をしています。
キーワードの候補を決めていく際にはカテゴリを分けを行い、さらに大中小でカテゴリを分類が必要となります。サイトマップはカテゴリで分類されたツリー上のWebサイトの構造のことを指します。
サイトマップはご自身の頭の整理にもなるだけでなく、SEO対策視点からいってもGoogleのクローラーに対してWebサイト内の構造を知らせる際にクローラーがWebサイトの構造を理解していく上での大事な「地図」となります。
例として、サイトマップのカテゴリ分けを意識している大手ECサイトが見やすさや使いやすいと感じることやニーズにあったものをいち早く探しやすいのもサイトマップに力を入れているからともいえます。
内部リンクを強化する
SEOにおいて内部リンクは重要です。自然検索などから流入した訪問者には出来るだけ多くのサイト内ページを見てもらうことがポイントとなります。
その為、関連記事などの興味がありそうなページへ誘導する為の内部リンクを使います。これはサイト内遷移・回遊ともいわれますが、内部リンクはいわばユーザーに向けての道しるべの様なものです。クローラーにも分かりやすいようにすることや、リンク切れなどで先がなく行き止まりにならないように気を付けましょう。
パンくずリストはユーザビリティを向上する
パンくずリストとはユーザー自身の現在位置や辿ってきたルートとを示す役割があり、ユーザビリティの向上を図る目的があります。また検索エンジンが効率的にクロール出来る利点もあり、SEO対策としても有効となります。
パンくずリストはサイト内のページ数が多くなった場合にとても役に立つ機能です。サイト構造を示しますので分かりやすい階層構造設計が必要になります。
なお、使用頻度の高いパンくずリストは3つあります。
- 位置型パンくずリスト
(自信が閲覧しているページが階層上どこに位置しているのかを示します) - 属性型パンくずリスト
(閲覧しているページがサイト上のどのカテゴリーに分類されているかを示します) - パス型パンくずリスト
(動的なパンくずともいわれ、現在閲覧しているページにどのようにしてたどり着いたかを示します)
モバイルユーザーへの配慮
パソコンとモバイル(スマートフォンやタブレット)と画面の大きさは異なります。特にスマートフォンの画面は他のもと比べると小さいため、表示できる情報や画像などには限界があります。
パソコンと同じ見え方、つまり同じ構成のものを表示させてしまうと表示を引き延ばしたり縮めたりの作業が起こる可能性があり不便さを感じます。
スマートフォンやタブレットなどのモバイルで検索する機会が増えたことにより、モバイルファーストインデックス(MFI)が重要視されるようになりました。パソコンとモバイル用の情報自体は同じではあるものの、デバイスが異なってもユーザーにとって見やすく、使いやすいWebページことが大事という考えです。画面の大きさなどの使用にあわせ表示情報が切り替わるレスポンシブな設計への取り組みが必要となります。
サイトのスピード改善・表示速度の高速化
GoogleはWebページの読込の表示スピードについて、パソコン及びモバイルでの検索結果のランキング要因と順位結果に影響するとしました。読込速度の向上はSEO対策以外にもユーザー体験の向上となりますので重要です。Googleが提案する最適化の種類はこちらの9種類です。
- リンク先ページでリダイレクトを使用しない
- 圧縮を有効にする
- サーバーの応答時間を改善する
- ブラウザのキャッシュを活用する
- リソースを圧縮する
- 画像を最適化する
- CSS の配信を最適化する
- スクロールせずに見える範囲のコンテンツのサイズを削減する
- レンダリングを妨げる JavaScript を削除する
それぞれの詳細はGoogle Developersが提供するPageSpeed Insights のルールをご覧ください。
構造化データ
構造化マークアップは、Googleのクローラーがページの構造化データを含めてテキスト情報やコンテンツ内容を適切に理解できるように情報を提供する記述方法のことをいいます。構造化マークアップのフォーマットはHTMLにメタデータを直接記述する方式のMicrodataとGoogleが推奨しているJavaScriptを使ってページ内に挿入する方式のJSON-LDがあります。
ガイドライン詳細はGoogle Developersが提供する構造化データの仕組みについてをご覧ください。
音声検索対応を急いだほうがいい理由
スマートフォンなどでGoogleアシスタントやSiriをつかって話しかけて音声で検索をする光景は増加しています。
これまでのテキストベースの自然検索は検索結果が上位に表示さえされていれば、クリックされる可能性はありましたが、音声検索では検索結果1位のものしか読まれなくなる可能性があります。
従って音声検索によるSEO対策ができていないとユーザーとの接点がなくなる可能性があります。
検索される音声も単語や文章、感情の場合もあり、SEO対策がもっと難しいものになると考えていいでしょう。
③. 外部対策
内部対策とは異なり、自身のWebサイトの外部で行うSEOとなります。主には外部リンクが中心となり、被リンクに関する対策ともいわれています。
外部対策が必要な理由としては、検索エンジンが内部対策のみでアルゴリズムを働かせると、Webサイトのコンテンツの充実度や見やすさ、キーワードのマッチ度などで検索結果の表示順位を決めることになります。それではWebページがユーザーにとって有益なものであるか疑問です。そのため検索エンジンは外部からみたWebサイトの信頼性や関連性なども重要な要素として考えています。
検索エンジンの被リンクの評価は、ユーザー視点でのWebページのコンテンツの価値基準となるので、被リンク自体の質と量を重要な要素として捉えています。
SEOにおける有効な被リンク
- SNSシェアによる自発発生的なリンク
- リンク元のWebページの内容と関連の高いリンク
- リンク元のWebコンテンツが良質と判断されるリンク
これからは動画SEO対策も重要となってくる
ここ数年で、動画に対するSEO対策が注目されるようになりました。動画SEOはVSEO(Video Search Engin Optimizationの略)ともいわれ、検索キーワードと関連性の高い動画(YouTubeやニコニコ動画など)を検索結果上位表示させることをいいます。
現在、Google検索エンジンは画像判定には強いものの、動画の内容を判定するまでには至っておりません。しかしながら、動画SEOの重要性は、アメリカBrightcove社のレポートによるとWebサイト内に動画コンテンツの「埋め込みしたWebページ」と「埋め込みなしのWebページ」では上位表示の期待値が約53倍も変わるとされていることから注目を浴びています。
まとめ
いかがだったでしょうか。SEOに取り掛かるための基本的な知識について解説をさせて頂きました。SEOの最終的な目的は質の高いサイトやコンテンツを作ってGoogleから高い評価をもらい検索結果で上位表示させることではあります。その裏側には訪問者であるユーザーと向き合うことでユーザーが使いやすいWebサイトづくりが必要です。
音声検索や動画検索の対策も今後増えていくことになりますが、ユーザーが満足する質の高いコンテンツを作っていくことには変わりありません。
効果的なSEO対策のお役にたてれば嬉しいです。