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これならわかる機械学習の基本としくみ!本質を理解する

人工知能の全体像IT・テクノロジー

どうも。「ウィズシード」です。人工知能と一緒に語られることの多い、機械学習ですが、その名の通り、「機械学習とは、人工知能における研究課題の一つで、人間が自然に行っている学習能力と同様の機能を機械で実現しようとする技術・手法のこと」です。

一見、理解しやすそうに見えるこの説明ですが、「何となく意味は分かっても実際にどの様な仕組みなのか分からない」、「複雑に考えてしまって難しい」と思ってしまうい人も多いのではないでしょうか。
今回は機械学習について、基礎中の基礎を学んで頭のもやもやをスッキリさせていこうと思います。

機械学習とは「入門編」

人間の様な「知能」を再現するために機械学習は研究されている

「人間の様な「知能」を実現させること」これは人工知能の目的の一つです。人工知能の「自律的に物事を学ぶための技術」の研究の分野として機械学習があります。

機械学習は人工知能のことを指していると誤解されているかたも多いですが、厳密には違います。

機械学習は人工知能分野の研究分野の一部

人工知能の全体像

上記図を見て行きましょう。人工知能の研究分野に機械学習があり、機械学習の分析手法のなかに深層学習(ディープラーニング)があるといった感じです。

機械学習は人工知能分野における分析手法のジャンルの様なものと捉えた方が理解しやすく、分かりやすいかもしれませんね。

機械学習は人間の手によって機械へ覚えこませること

次に、機械学習には「学習」という言葉がついていますが、学習って何だろうと気になるところですよね。ここでの”学習”とはいったいどのようなものをいうのでしょうか。

機械は人間の様に何かの知識を得ようと自ら学ぶことは出来ませんよね。

従って、機械に学習をさせることが必要になってきます。実際には人間が機械に対して大量のデータを覚えこませることによって、機械はそのデータを参照しながら判断が出来るように教え込むことを「機械学習」といいます。

こんなことを人工知能では「知能」として定義づけている

人工知能が機械学習をしていくことによって人間の様な「知能」を実現させることを目的にしていますが、「知能」とは下記の様なことを指しています。

◎ 人間の言葉を理解する
◎ データから論理的な推論する
◎ 経験から学習する

これは人間が自然と出来ている知能や思考そのものを人工的に作り上げることを目的にしているということです。

機械学習が注目されている理由

機械学習が注目されている理由は、機械に大量のデータを覚えこませることによって、データから必要な答えを抽出し結果を得られることができる手法として考えられています。

 

機械学習によってどんな領域で期待されているのか

3つの分野で機械学習が実用化が期待されている

機械学習には既に実用化が進んでいる領域やこれからさらに実用化に向けて研究が進められていく領域がありますが、大きく分けますと、「予測分野」「識別分野」「実行分野」の3つとなります。

では、それぞれの3つの領域について見ていていきましょう。

マッチングを得意としている、予測分野

機械学習で最も実用化が進んでいる領域で、数値を予測するもの、ニーズを予測するもの、マッチングを予測するものです。予測分野はさらに3つに細分化されます。

1)数値を予測する

代表例としては、売上需要予測や与信スコアリングなどの分野で実用されています。

2)ニーズの予測する

個人レベルでの発注や関心ごとの推測などで実用されています。

3)マッチングを予測する

広告業界によく使われています。レコメンド広告や検索連動広告、コンテンツマッチ広告などがこのマッチング予測を実用化したもので精度も高い領域となります。

画像認識は最も得意としている、識別分野

ディープラーニングが登場したことにより、精度の向上と実用化が急速に伸びている領域となります。識別分野はさらに3つに細分化されます。

1)仕分けや検索する領域

言語や画像などの情報の判断や仕分け及び検索する領域。

2)意味を理解する領域

音声や画像、動画といったコンテンツなどの意味を理解し感情の把握や顔認証技術、医療においては画像診断などで実用化されています。

3)予知領域

異常検知の識別も得意としており、故障の検出や予知、潜在顧客の発見などの領域において実用化され今後益々注目されていく領域。

自動運転技術などで今後期待される、実行分野

実行分野の話題といえば新たな技術革新としての自動車の自動運転技術です。

ニュースなどで見る機会が多いので、そろそろ実用化と期待したいところですが、安全性などの課題も多いこともあり実用化についてはもう少し時間がかかりそうです。

ますます精度があがる翻訳などの表現領域

皆さんも使ったことがあるかもしれませんが、文章の要約や作成、翻訳などといった表現を生成する領域です。これは既に実用化が進んでいる領域で、年々と精度が上がってきています。

ナビゲーションシステムもドライブが快適になるために進化している

ナビゲーションなどに代表される「経路の最適化」なども、実行分野の領域で既に実用化が進んでおります。

音声ガイドシステムはIOT化にも活用されている

自然言語処理分野も実用化が進んでおり、iPhoneの「siri」などに代表されるAI会話領域は急速に発達と進化を遂げています。今後益々実用化が進む領域と言えるでしょう。

機械学習の手法は3つ!学習アルゴリズムとは

機械学習の特徴は、大量のデータをもとにそのデータに隠されたパターンや特徴を見つけ出すことやそのデータから自動的に判別をしたり、傾向を予測する機能です。

この機能を実現するための機械学習の学習アルゴリズムには3つあります。

1).「教師あり学習」は機械にデータと正解を与える
2).「教師なし学習」は機械に正解を与えない
3).「強化学習」は機械に報酬を与えて学習させる

教師が「ある」と「ない」は言葉通りだと思いますが教師とは一体何か知りたいですし、強化学習というのもどの様なものか知りたいですよね。
機械学習の大事なところですので一緒に見ていきましょう。

 

教師あり学習は答えを教え込む

最も一般的な学習方法となります。教師あり学習というのは、取り扱うデータに対してどう出力すべきか問題と答えのセットにして機械に教え込む手法です。言い換えれば、機械が正解データをもっていて、そのデータを解析し、法則性やルールの中から答えを見つさせるものです。

教師あり学習は法則性を見つけるのが得意

教師ありの学習機能については、市場予測や購買意欲の高い顧客の推測などデータアナリストがビッグデータから結果や法則性を導き出すことが比較的簡単に得られることもあって普及されてきたと言われています。

教師あり学習のメリットとデメリット

教師あり学習による人工知能では、リンゴとバナナの写真を沢山見せてこのフルーツはリンゴ、こっちはバナナと覚えこませるので、この学習機能を使い学習を重ねさせることで、リンゴやバナナであれば、違うカットの写真を見せても、これはリンゴです!と回答できるのが特徴です。

パターンや特徴を認識することで新しい絵を見せてもそれがリンゴだ、バナナだという回答を得られることがメリットですが、リンゴとバナナを逆に教えこめば答えは当然逆になりますし、リンゴとバナナしか知らないのにトマトの絵を見せてもトマトだとは答えられません。おそらくリンゴかバナナのどちらかの判断をすると思います。

持っているデータの参照から答えを出すので新しい概念は生まれてこないことや、独自の判断基準も生まれてこないことはデメリットでもあります。

教師なし学習

教師なし学習は、未知のビッグデータから法則や特徴を見つけ出していく手法です。教師なし学習では正解データを教え込まないため、データの特徴やルールや定義を学習させる方法となります。

教師なし学習機能の実用化は、ECサイトのレコメンド機能や迷惑メールの自動振り分けなどに応用されています。

教師なし学習のメリットとデメリット

教師なし学習の人工知能は、リンゴやバナナを知らない機械にリンゴの写真を見せて答えを導きさせます。

教師ありの場合、最初にデータセットとして答えと写真を教え込んでいるので、すぐに「リンゴ」という回答がでてきますが、教師なしの場合「リンゴ」が何かを教えていないので、機械が独自に考えることが必要となります。

教師なし学習による人工知能は、リンゴと回答を導き出すために特徴などの定義や傾向から予測し回答をします。予測にはデータ収集を行った後、データの整理を行い、データ同士の類似性を判定していくことで色などの特徴をグループ分けを行い、法則性を自ら導き出しますので人間が関与しなくても良いのがメリットです。

教師なし学習機能のデメリットとしては、設定が不十分だと人間が予測がつかない分類方法を行うことがあり、全く役にたたない可能性がある事です。基本的にコンピュータが予測するためには分類の基準が必要なため、ルールや定義を設計する必要があります。

人間の予測の範疇を超えた解析結果によって新たな発見となる可能性にも繋がると考えれば、課題はあるものの今後研究を進めていく分野と言えます。

強化学習機能

強化学習とは、機械がどの様な行動をとれば最大の「報酬」を得られるかを試行錯誤させる方法です。

トライアンドエラーによって人工知能が学習によって経験を積む

強化学習はトライアンドエラーをするために用意されている選択肢を手当たり次第に試行していきます。トライアンドエラーの結果をデータとして蓄積することで、どの様な状態のときに、何をしたら一番効率が良いかを記憶していきます。

強化学習のメリット・デメリット

自動車の自動運転技術で例えると、事故を起こさないことが大前提になりますので、交通ルールを守るとか、事故を起こさないように前の自動車との車間距離を保つために走行スピードを制御することも必要があります。

また実用化という面で考えますと、前の車のスピードも違えば天候などによる路面の状態や道路規則など状況に応じて判断しなければいけません。

強化学習をさせることによって、トライアンドエラーの結果から最適な安全性を実現できるのはメリットと言えますが、予測不能な天変地異などの状況での判断が予測できないことや実用化した際のエラーを起こした際、人命にも関わることなので安全性の担保が出来ていない、実験が困難なものもあることがデメリットといえます。

 

まとめ

如何だったでしょうか。機械学習は今後の人工知能が発展してくための技術で期待がされる分野となります。深層学習とも言われるディープラーニングが登場したことで、可能性が広がり研究は加速していっています。

人工知能のことや、ディープラーニングについて知りたい方は関連記事にありますので、ぜひ読んでいただければと思います。

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