「5G」による超スマート社会実現への取り組みは、アミューズメントやエンターテイメント業界にも広がっています。その影響は音楽業界にも広がっており、フェス・コンサートの常識が変わる動画配信サービスのVRライブやARライブなどが注目されています。
新型コロナウィルスによる自粛期間でライブハウスなどに足を運べない中、ますます映像配信コンテンツの需要が増えると思われます。今後はどのような次世代の音楽サービスが普及し、展開されていくのかをご紹介します。
音楽業界もいよいよ5Gの時代へ
2020年から日本でも5Gサービスの提供が開始されました。テレビや街中でも頻繁に”5G”という言葉を耳にする機会も増えたかと思います。5Gは、「超高速・大容量」「超低遅延・高信頼」「多数同時接続」といった特徴があり、革新的通信技術と期待されています。
こういった通信システムの更なる進化により、様々な企業が5Gを利用した新たなサービスやビジネスに取り組み始めています。音楽業界も同様にライブや動画配信に5G技術を取り入れています。
5Gで進化する次世代音楽コンテンツ
ライブハウスや音楽フェスで好きなアーティストの生の演奏にふれたり、家でも配信サービスやライブ映像を楽しんだりと、日々の生活に浸透している音楽コンテンツ。こうした音楽に関するエンターテック※も5Gによる最先端技術により大きな進化を遂げています。
5GでVRライブの楽しみ方が広がる!
VRゴーグルを活用すれば、自宅にいながらもライブハウスやコンサート会場にいるような臨場感あるライブ感覚を味わうことができます。仮想現実内で360°のリアルな映像を体験することで、全く新しいライブスタイルに驚愕することでしょう。
自宅に居ながらも、ライブ会場のリアルタイム配信映像をVRで楽しめば、ライブチケットが取れず会場へ入れない方や、遠方の方にもライブの臨場感が存分に楽しめるのがVRライブの特長です。
私も実際にVRライブ映像を体験してみました!VRゴーグルとVRコントローラーを装着。感じたことは、とにかくアーティストとの距離が”近い“ということです。バンド演奏者が使っている機材や、アイドルの衣装の細かな模様までも鮮明に映っており、マニアにはたまらないかもしれません。実際の会場では中々気づけないことにもVRライブ上だと気づけるので、違った楽しみ方ができるのもVRならではのポイントかと思います。
「5G×AR」を活用したライブ配信サービス
AR(Augmented Reality)は「拡張現実」の意味を指し、現実の空間にバーチャル・リアリティの情報を重ね合わせて、拡張する技術のことです。スマホゲームの「ポケモンGO」や、購入したい家具を部屋に仮想設置できる「IKEAカタログ」などがAR技術の一例です。
超現実ライブ
超現実ライブでは、ARフィギュア化したアーティストを映し出し、自分の好きな現実空間をライブ会場にすることができます。まるで自分主催のライブにアーティストを招待しているかのようです。
※現実世界のメジャーアーティスト「中2さゆり」と仮想世界のバーチャルアーティスト「波羅ノ鬼」による対バンライブ
ARライブ
アーティストの演出にARを使用しデジタルエフェクトを加えたライブ配信が行われています。
※5G X 遠隔演出「DAOKO」
<その他>ARを使用した配信サービスコンテンツ
・バーチャルライブ配信アプリ「SHOWSTAGE」
・日本初のライブストリーミングチャンネル「DOMMUNE」
ホログラムライブで伝説のアーティストは何度でも蘇る!
5Gテクノロジーの活用により「亡くなられたアーティストが会場でライブをする」というかつてない取り組みが行われています。その仕組みは、亡くなったアーティストのホログラム映像を会場に投影し、実際の照明や生演奏に合わせることで、違和感なくそのアーティストがその会場にいるかのような演出を生み出します。
一例として、海外アーティストの故「フランク・ザッパ」とセッションを行ったライブが話題になりました。また、これまでに「マイケル・ジャクソン」や「2PAC」などの海外アーティストの他に「hide(X JAPAN)」もホログラムライブを実現されています。まるで生きて一緒にライブをしているかのような感覚にファンの方々は心打たれたことでしょう。
このライブは故人に限った話ではありません。現在活躍している実際のアーティストも既にホログラムライブを行っております。日本では初音ミク、欅坂46、Perfumeなどがホログラムライブを行っています。
今後は、このホログラム技術の向上により、実会場以外にも異なる地域で同時にライブを行うことが可能になって行くでしょう。
スマホだけでも充分に楽しめちゃう!新体感ライブ
VRなどの機材が無くとも、スマホ1台で実際のライブ・コンサートをそのまま体験しているような配信サービスが楽しめるのが新体感ライブ(新感覚ライブ)です。見逃し配信やリアルタイムで、好きなアングルからどこでも誰とでも共有しながらライブを視聴できます。もちろんVRやARを使った映像も楽しむことができます。
離れた場所でライブを見ているファン同士でコメントするなど、感情の共有がリアルタイムでできます。また、マルチアングル機能で好きな角度からカメラ視点を変えることができ、見たい場面ごとに自分が注目したいところで楽しむことができます。あなた推しのアイドルや好きな楽器を演奏しているアーティストに合わせて楽しむといったことができるので、ファンには嬉しいサービスですね。
このようなリアルタイムな映像を複数人でタイムラグ無く楽しめるのも、5G技術の進歩のおかげと言えます。
まとめ:進化する音楽ライブ
いかがだったでしょうか。5Gの普及とテクノロジーの発展により新たな音楽コンテンツが生み出されています。今後は5Gを活かしたさまざまなサービスやコンテンツが増加することでしょう。
自宅でのライブ参加も当たり前となり、ライブのチケット抽選にハズレてしまった人でも、存分に好きなアーティストのライブを楽しめる時代の到来です。希望する全ての人が何らかのライブに参加できるようになるのは嬉しいですよね。
今後は、5Gの技術である超低遅延や多数同時接続を活かして、イベントやフェス会場でも様々な参加型サービスの展開が期待できるでしょう。これからの音楽コンテンツの更なる進化に注目してみてください!